回路のキホン~並列回路~【中学生におすすめ】
今回は並列回路を説明します。
並列回路を水に例える
並列回路を水で例えます。この並列回路を例にします。
電圧や電流などは下記のようにイメージします。
電池 | 水を高い位置まで運ぶポンプ |
---|---|
電圧 | 地上からの高さ |
電流 | 1秒間に流れる水の量 |
抵抗 | 水の流れに逆らう水車 |
同じ高さから水が流れたとき、大きい水車と小さい水車とで、動かす力の差は何か分かりますか?
流れる水の量ですね?
はい、水が流れやすい方、つまり水車が小さい方に水が多く流れます。
これを電気回路に例えると、高さは電圧、水の量は電流になるので、電圧が同じで電流が異なります。
水車が小さい、つまり抵抗の値が小さい方に電流が多く流れます。
ココがポイント
演習問題
それでは先ほどの例題を解いてみます。
ポンプで上げられた高さと、水車を回すために流れた水の高さは同じです。
回路におきかえると、水の高さは電圧なので、抵抗にかかる電圧と電池の電圧が一緒になります。
ここで、図のように3Ωの抵抗に流れる電流をI1、6Ωの抵抗に流れる電流をI2とします。
電流電圧と各抵抗にかかる電圧は全て同じなので、オームの方法に代入します。
オームの法則を忘れた方のために復習です。
オームの法則の公式 E(V)=I×R
Eは電圧で単位はV(ボルト)
Iは電流で単位はA(アンペア)
Rは抵抗で単位はΩ(オーム)です。
ポンプで9mの高さまで上げられた水が2手に分かれて、どちらも0mの地点まで下ります。
回路に戻すと、どちらの抵抗にも9Vがかかり、電流は分かれて流れます。
オームの法則にEに9、電流と抵抗をそれぞれ代入します。
9=I1×3 (下の通り)
9=I2×6 (上の通り)
となります。
I1=9÷3=3A(アンペア)
I2=9÷6=1.5A(アンペア)
と求められます。
2つに分かれた電流を合わせれば良いのですね!
はい、その通りです。
I=I1+I2=3+1.5=4.5A(アンペア)
となります。
ちなみに、試験などで「合成抵抗を求めなさい。」という問題が出ます。
「合成抵抗」とは、複数の抵抗を1つの抵抗として考えるということです。
2つの抵抗を1つにしても、かかる電圧と流れる電流は変わりません。
ですので、電源電圧の9V、先ほど求めた分かれる前の電流が4.5Aが分かっているので、電圧÷電流で合成抵抗が求められます。
R = 9 ÷ 4.5 = 2Ω
となることが分かりました。
まとめ
ココがポイント
- 並列回路は各抵抗間にかかる電圧が同じ(①)
- 電流は2つに分かれて流れる(②)
- 大きい抵抗には電流が少なく、小さい抵抗はたくさん電流が流れる(③)
↓ 水に例えると…
ココがポイント
- 落ちる高さは同じ。(①)
- 流れる水は2つに分かれる(②)
- 大きい水車には流れる水が少なく、小さい水車はたくさん水が流れる(③)
直列回路についてはこちらにまとめてありますので、ぜひご覧ください。