- 電気正確に欠かせない電気の正体
スイッチを押したら照明が点灯する
コンセントに挿したら電化製品が使用できる
このように私達の生活に欠かせない電気ですが、いざ説明しようとすると難しいですよね?
今回はそんな電気について説明したいと思います。
原子構造(原子核と電子)
- 【原子核】プラスの性質を持った陽子 + 電気的に中性な中性子
- 原子は陽子(+)の数と、電子(-)の数が等しく、電気的には中性
- 原子核の周りを電子が回っている
電気の話のはずが、化学の話になっているのですが・・・
地球上に存在する全ての物質は「原子」で出来ています。原子はそれ以上分解が不可能な存在です。
この原子には中心に「原子核」と、その外側を「電子」が回っています。この「電子」の動きによって電気が流れる事になります。
原子核は、電気的にプラスの性質を持つ「陽子」と電気的に中性の「中性子」から成り立っています。
そして原子は、この「陽子(+)」と「電子(-)」の数が等しく、電気的には中性の存在です。
ココがポイント
- 物質は全て「原子」で出来ている
- 原子は原子核の周りをマイナスの性質を持つ電子が回っている
- 原子核はプラスの性質を持つ陽子と、電気的に中性の中性子からなる
- 原子は陽子(+)と電子(-)の数が等しく、電気的に中性
自由電子の流れが電流を生む
この原子核の周りをまわっている電子ですが、熱や光など外部からエネルギーが加わる事により、電子が原子の外へ飛び出る事があります。
これを「自由電子」と呼びます。
この「自由電子」の移動にともない、マイナスの性質を持つ電子を失った原子はプラスの性質となり、マイナスの性質を持つ電子を受け取った原子はマイナスの性質となります。
このようにして、物質に存在する電子が熱や光によって外部へ「自由電子」となって飛び出し、電子が自由に動けるようになると、電子は流れ始めて電流になります。
マイナスの性質を持つ電子を失ったり、受け取ったりすることで、マイナスやプラスの性質を持ちます。
このようにマイナスやプラスなどの電気的性質を持ったものを「電荷」と呼びます。
電流の定義は「1秒間に電荷1が流れることを1A(アンペア)とする」としています。なお、電荷の単位はC(クーロン)を使用します。
ココがポイント
- 熱や光などにより電子が飛び出る事がある、その電子を自由電子と呼ぶ
- 電子が自由に移動する事により、電気が流れる
コードに銅が使用される理由
電子殻 | 電子の数 |
---|---|
K殻 | 2 |
L殻 | 8 |
M殻 | 18 |
N殻 | 1 |
銅が他の金属よりも安いから?
銅は電気を通しやすいから?
どちらも正解です。では、銅が電気を通しやすい理由を説明します。
銅は原子記号では29番目で、上図のように銅の原子核の周りには4つの軌道があり、内側から順に「K殻、L殻、M殻、N殻」と呼びます。
K殻は電子が2個で安定、L殻は電子8個で安定、M殻は電子18個で安定、N殻は32個で安定するのですが、銅の一番外側には電子が1個しかありません。
一番外側の電子を「価電子」と呼びます。
銅原子に外部から力が加わると、価電子1個にエネルギーが集中するため、自由電子として放出しやすくなっています。
このように電子を放出しやすい構造のため、銅は電流を通しやすい性質であると言えます。
H (1) | He (2) | ||||||||||||||||
Li (3) | Be (4) | B (5) | C (6) | N (7) | O (8) | F (9) | Ne (10) | ||||||||||
Na (11) | Mg (12) | Al (13) | Si (14) | P (15) | S (16) | Cl (17) | Ar (18) | ||||||||||
K (19) | Ca (20) | Sc (21) | Ti (22) | V (23) | Cr (24) | Mn (25) | Fe (26) | Co (27) | Ni (28) | Cu (29) | Zn (30) | Ga (31) | Ge (32) | As (33) | Se (34) | Br (35) | Kr (36) |
まとめ
身の回りに存在する物質には電子を放出しやすい物質や、逆に電子を受け取りやすい物質があります。
それらの物質に外部からエネルギーが加わる事により、電子が自由電子となって移動して電気が流れます。
これらの性質を利用して、私達の生活へ電気が届けられています。
電流や電圧などについては、中学で習う直列回路や並列回路を例にして説明しているので、こちらも合わせて読んでみてください。