デジタルとアナログについて
電気の世界では基本的に「1」か「0」、つまり「ON」か「OFF」かで表現されます。
このように「0」か「1」かで表されることを「デジタル」と呼びます。
それに対し、「0.333333333…」など「0」と「1」の中間の値を表現できるのが「アナログ」です。
パソコンを含め、電気の世界では「デジタル」で表現されます。
それにも関わらず、例えばモーターは速くなったり遅くなったりさせる事ができ、これはあたかも「アナログ」のように動かしています。
それでは「デジタル」で表現される電気の世界において、このような「アナログ」の値を扱うにはどのようにすれば良いでしょうか?
その制御の1つに「PWM」というものがあります。
PWMはパルス幅(=ONの時間)を変化させる
PWM制御はご存知でしょうか?
PWMは、「Pulse Width Modulation」の頭文字を取っています。
英語の意味はそれぞれ下記の通りです。
英語 | 日本語 |
---|---|
Pulth | 脈、パルス |
Width | 幅 |
Modulation | 変調 |
「パルス」は図の「ON」の状態を指します。
Pulth widthで「パルス幅」という意味になりますが、パルス幅=「ON」の幅 という事になります。
「Modulation」は「変調」という意味なので、Pulth Width Modulationで「パルス幅変調」という意味になります。
そして、「ON」の時間から周期(=ON+OFFの時間)で割った値を 「デューティー比」と言います。
上の波形のように「ON」と「OFF」が1対1の場合はデューティー比は50%、
下の波形のように「ON」が25%、「OFF」が75%の場合はデューティー比は25%となります。
このようにパルス幅(=ONの時間)を変調させることで、平均電圧を調整する事が可能となります。
これがPWM(Pulth Width Modulation)となります。
PWM制御はLEDを調光したり、モーターの速度を調整する
PWMによって平均電圧を調整する事が可能です。
そしてこれを連続して制御する事で、上の図のようなアナログの値もデジタルで分解する事によって表現する事が可能になります。
これらの原理を利用する事により、例えばLEDではホタルの光のようにを徐々に明るくしたり、暗くする事が出来るようになります。
このように光の明るさを調整することを「調光」と言います。
パルス幅(=ON時間)を変調する事で電圧を上げ下げし、それによってLEDの光を調整します。
これをフルカラーLED(赤、緑、青のLEDが一緒になったLED)で赤、緑、青をそれぞれを調光させることで、オレンジや薄紫などの色を表現する事が出来るようになります。
また、これを直流モーターに使用すれば、回転速度を早くしたり遅くしたりすることでラジコンカーの制御が可能になります。
サーボモータと呼ばれるモータではPWMで制御する事により、モータを指定の角度で止める事ができます。
この原理を人間の関節と見立てて、二足歩行ロボットに使用していたりします。
このように様々な場面でPWM制御が使用されています。
ココがポイント
- PWMはパルス幅(=ONの時間)を変調して電圧を調整する
- デューティ比 = ONの時間 ÷ 1周期(=ONとOFFを足した時間)
- PWMでLEDを調光したり、モーターの回転速度を調整できる
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また、タミヤのモーターなどをPWMで制御すれば、モーターの回転速度を速くしたり遅くしたり出来るので、電池を入れたら真っすぐ走るミニ四駆もラジコンの様にコントロールする事もできます。
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