気軽にIoT電子工作ができる「obniz」でLEDを光らせる方法について説明します。
「IoT」や「obiz」ってどういう意味?という方は、前回の記事をご覧ください。
【前回の講座】
obnizでIoT電子工作を始めよう!【obniz講座第1回】
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obnizでLEDを光らせるための準備
「obniz」でLEDを光らせるための準備する物をまとめます。
準備するもの
- obniz本体 ×1個
- マイクロUSBケーブル(obnizの電源供給用) ×1本
- LED ×光らせる個数分
- 200Ω前後の抵抗 ×1個LEDにつき1つ
- ブレッドボード(あると便利)
- ブレッドボード用ジャンプワイヤー(ブレッドボードを使うとき用)
obniz本体はAmazonや公式ショップから購入します。
また、ブレッドボードがあると半田付けせずに電子回路の実験が出来るので、1つあると便利です。
LEDや抵抗などの電子部品は、東京の秋葉原にある「秋月電子通商」や「千石電商」などから購入しています。
どちらも通販サイトがあるので、秋葉原まで行けないという方はネット通販も利用してください。
obnizにLEDを接続します。このとき、注意点があります。
ココに注意
- LEDにはプラスとマイナスの向きがある(+:アノード -:カソード)
- LEDに直列で200Ω前後の抵抗(カーボン抵抗など)を入れる(抵抗なしの場合、電流が流れすぎるため)
上から順に説明します。
LEDにはプラスとマイナスの向きがある
LEDにはプラスとマイナスの正しい向きがあります。向きを間違えるとLEDは光りません。
元々LEDは「ダイオード」と呼ばれる電子部品の一種で、「ダイオード」は1方向にしか電気を流さないという性質があります。
ちなみに、LEDは日本語で「発光ダイオード」と呼びます。
足が長い方がプラス(=アノード)、足が短い方がマイナス(=カソード)です。
LEDの向きや意味について、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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LEDをどこに挿すのかについては、後ほど説明します。
LEDに直列で抵抗を入れる
LEDを光らせる場合、LEDと直列に抵抗を接続します。
理由はLEDのみをつないだ場合、LEDに電流が流れすぎてしまうためです。
計算方法ですが、obnizの出力端子電圧は何も指定しない場合、5Vが基本となります。
抵抗とLEDに流れる電流をI、抵抗値をRとすると、オームの法則「V=I×R」から、下記の式が成り立ちます。
5(obnizの出力電圧) = I×R + LEDの電圧降下
「LEDの電圧降下」とは、LEDに電気が流れるとき、その値だけ下がる電圧値の事を言い、一般的に2V前後です。
仮にLEDの電圧降下を2Vと仮定すると、
5 = I×R + 2(LEDの電圧降下)
I×R = 5-2
R = 3 ÷ I ・・・①
となります。
LEDは10~20mA(ミリアンペア)流せば十分に光ります。
1mA(ミリアンペア)は0.001A(アンペア)なので、15mAは0.015Aとなります。
LEDに15mA流すために必要な抵抗値は、式①の電流Iに「0.015」代入して計算します。
R = 3 ÷ 0.015 = 200Ω(オーム)
したがって、LEDに15mA流すためには200Ωの抵抗を接続すれば良い事が分かります。
LEDにつなぐ抵抗値の計算や、抵抗値の見方についての記事もご覧ください。
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LEDを光らせるプログラムを作成しよう
いよいよLEDを光らせるプログラムです。
onbiz.jsは常に最新にしてください
下記のoniz.jsを読み込む際のバージョンは常に最新バージョンへ書き換えてください
<script src="https://unpkg.com/obniz@【ここの部分】/obniz.js" crossorigin="anonymous"></script>
<html> <head> <meta charset="utf-8"> <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1"> <script src="https://unpkg.com/obniz@2.0.1/obniz.js"></script> </head> <body> <div id="obniz-debug"></div> <script> var obniz = new Obniz("OBNIZ_ID_HERE"); obniz.onconnect = async function () { var led = obniz.wired("LED", { anode:0, cathode:1 } ); led.on(); obniz.display.clear(); obniz.display.print("ON"); } </script> </body> </html>
HTMLタグについて
<html></html>はHTML文書であるということを宣言しています。
<head></head>はHTMLのヘッダーを表し、この中には外部ファイルの読み込みなどを行います。
<body></body>はHTMLの本文を表し、この中に文章を書いていきます。
<meta charset="~">について
こちらはブラウザに表示する文字コードを指定しています。
「charset」は「charactor set」の略で、「charactor」には私達が良く使う「キャラクター」の意味の他に、「文字」という意味も持ちます。
例えば、「漢字」を英語で「Chinese charactor」と言います。
私たちが見ているWebページは現在「HTML5」が仕様になっていますが、HTML5では文字コードは"utf-8"を推奨されています。
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1">
こちらはWeb表示の横幅を設定しています。
「meta name="viewport"」と書く事で、レイアウトに関する記述であることを示しています。
「content="width=device-width"」部分は、PCやスマートフォンなど、使用している端末によって横幅が異なりますが、その端末に合わせた横幅に設定するという意味です。
次に「initial-scale=1」は初期のズーム倍率を何倍にするかという値で、数値が「1」は等倍です。
なお、"width=device-width"と"initial-scale=1"はどちらも"content"で指定する値です。
このように複数設定する場合には、「content="width=device-width, initial-scale=1"」とダブルクォーテーション(")の間をカンマ(,)で区切って入力します。
<div id="obniz-debug"></div>、var obniz = new Obniz("OBNIZ_ID_HERE");
これらは下記の記事で説明しているので簡略に説明します。宜しければ下記をご覧ください。
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<div id="obniz-debug"></div> | オンライン状態などをデバッグ表示してくれる |
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var obniz=new Obniz("OBNIZ_ID_HERE"); | obnizのIDを指定し、変数「obniz」として扱う |
var led = obniz.wired("LED", { anode:0, cathode:1 } ); について
こちらがobnizでLEDを光らせるための設定となります。
「obniz.wired("LED", { anode:0, cathode:1 } );」の部分はヘッダー部で読み込んだ「https://unpkg.com/obniz@1.13.1/obniz.js」でまとめらている関数の1つです。
「https://unpkg.com/obniz@1.13.1/obniz.js」で定義されている「obniz.wired」関数の最初(第1引数)に"LED"と書く事で、"LED"を制御するための設定であることを示しています。
そのあとの{anode:0,cathode:1}はLEDの出力設定において、obnizの出力端子0番にアノード(プラス側、LEDの足が長い方)、出力端子1番にカソード(マイナス側、足が短い方)をに設定するという意味になります。
そのため、LEDの足が長いアノード側を0番端子、足が短いカソード側を1番端子へ接続してください。
なお、抵抗はLEDより前に接続しても、後にどちらでも構いません。
抵抗とLEDは直列接続ですので、前後にどちらでも流れる電流は同じになるためです。
led.on();
var led = obniz.wired("LED", { anode:0, cathode:1 } );
で宣言した「led」という変数に関して、「led.on();」でLEDを光らせる処理となります。
obniz.display.clear(); obniz.display.print("ON");
こちらは見たままですが、obniz.display.clear();でobnizの画面をクリア、obniz.display.print("ON");でonizのディスプレイに「ON」という文字を表示します。
サンプルプログラムの実行
サンプルプルグラムが正常に実行されたら、LEDが点灯し、obnizのディスプレイには「ON」と表示されます。
もし、LEDが光らなかった場合はLEDの向きは間違えていないか、抵抗を繋ぎ忘れていないかなど確認してください。
次回はブラウザに表示されたボタンでLEDをON、OFFしたいと思います
【前回の講座】
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【次回の講座】
【全講座】
記事 | 内容 |
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