今後、ロボットが増えていく中で、モーターは欠かせない部品となるので、モーターの仕組みを知っておいて損はないと思います。
なお、「DCブラシ付モーター」のブラシの説明については、順を追って説明します。
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こんな方におすすめ
- DCモーターの原理・仕組みを知りたい
モーターの原理を理解する前に
モーターの原理を理解する前に、「電流」の流れる向き、「磁界」の向きを把握する必要があります。
理由は、磁場内で、電流が流れるときに発生する力(ローレンツ力)がモーターの原動力となるからです。
その向きを示したものが「フレミング左手の法則」と呼ばれるものです。
電流の流れる向き
電流はプラスからマイナスの方向へ流れます。
磁界の向き
磁石と磁石が引きつけ合ったり反発する磁力は、N極から出て、S極に入ります。
「フレミング左手の法則」
「フレミング左手の法則」について説明します。
左手の親指、人差し指、中指を使うアレですね。
フレミング左の手の法則は、親指と人差し指で銃の形をします。
次に中指を手の平側へ90度曲げた形を作ります。
下から順に電・磁・力(でんじりょく)と覚えます。
フレミング左手の法則
中指・・・・電流の流れる向き
人差し指・・磁界の向き
親指・・・・力の向き
DC(直流)モーターの原理
ミニ四駆などに使われる小型モーターの場合、外側に磁石が配置されています。
その磁場内のコイルに電流を流すことで、ローレンツ力が働き、コイルが回転し始めます。
上図のように、磁界が左から右の方向へ、図のような方向でコイルに電流を流れていることを想定します。
その場合、右側のコイルは画面の奥方向に向かって力が働き、左側のコイルでは画面の手前方向に力が働きます。
それにより、時計方向にコイルが回転し始めます。
もし、コイルに直接電流を流した場合、180度回転すると、電流は反時計周りに流れます。
そうすると、力の向きが反転する事になります。
フレミング左手の法則の中指(=電流の向き)を反対にすると、親指(=力の向き)の向きも反対になります。
そのため、反時計方向に回転する→180度回転すると時計回りに回転するを繰り返す事になります。
ではどうすれば良いでしょうか?
ブラシと整流子でコイルに流れる電流を一方向に保つ
そこで、「ブラシ」と「整流子」が役立ちます。
「ブラシ」は整流子と接触して電流を流し(=上図の灰色部分)、「整流子」(=オレンジ色の円弧)は左右で区切られており、180度回転したときに電流を反対向きにする事ができます。
上図のように「ブラシ」と「整流子」が接触している間は、コイルに電流が流れます。
このように回転していき、図のコイル及び整流子が垂直の位置になったとき、電流は流れなくなります。
そして、回転する勢いで左側のマイナス側で導通していた整流子が今度はプラス側に導通します。
この作用により、モーター内部のコイルは常に同じ方向で回転し続けることが出来ます。
このようなモーターをブラシ付モーターと呼び、比較的安価に製作する事ができます。
ただし、このブラシと整流子が接触する事でブラシが摩耗し、寿命は短いのがデメリットです。
まとめ
DCブラシ付モーターのポイント
- D磁場内で、電流が流れるときに発生する力(ローレンツ力)で回転する
- ブラシと整流子により、180度毎に電流の向きを変えることにより、一定方向に回転させることができる
- ブラシ付モーターは比較的安価だが、ブラシの摩耗により寿命が短い
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