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Raspberry Pi Pico 2Wで始めるIoT電子工作・Pythonデータ分析入門 第2回環境構築・Lチカ編

前回の第1回記事では、Raspberry Pi Pico 2Wの基本的な特徴と必要な機材について解説しました。

サンダー
サンダー

主なポイントは以下の通りです。

Raspberry Pi Pico 2Wの主な特徴

    • 小型のマイコンボード
    • Wi-Fi・Bluetooth内蔵
    • 本体価格 約1,400円(ピンヘッダ無し)、ピンヘッダ有りは約1,700円

第2回となる、この記事では、開発環境の構築とLチカ(LEDを点滅する)まで行います。

目次
  1. YouTube動画
  2. 第2回で実現すること
    1. 必要な機材の確認
  3. Thonny IDEのインストール - MicroPython開発環境の準備
    1. Thonny IDEとは?Python専用の統合開発環境でMicroPython(今回使用する環境)も対応
  4. Thonny IDEのダウンロードとインストール手順(Windows/Mac/Linux)
    1. Thonny IDEのダウンロード手順
    2. Thonny IDEの初期設定と日本語化
  5. MicroPythonのセットアップ - Raspberry Pi Pico 2Wへのファームウェア書き込み
    1. MicroPythonとは?マイコン向けPython実行環境の基礎知識
  6. MicroPythonのダウンロード方法
    1. MicroPythonのダウンロード手順
  7. Raspberry Pi Pico 2WをBOOTSELモードで接続する手順
    1. Raspberry Pi Pico 2WのBOOTSELモードとは
    2. Raspberry Pi Pico 2WのBOOTSELモードでの接続手順
  8. MicroPythonファームウェアをRaspberry Pi Pico 2Wへ書き込む方法
    1. MicroPythonファームウェア書き込み手順
  9. ThonnyでRaspberry Pi Pico 2Wを認識させる設定
    1. ThonnyでRaspberryPi Pico 2Wの認識手順
  10. Groveシールドの取り付けとLED接続 - はんだ付け不要の配線方法
    1. Groveシールドとは?IoT電子工作を簡単にする拡張基板
    2. Raspberry Pi Pico 2WへのGroveシールド取り付け手順
  11. Groveシールドのコネクタ配置(デジタル/アナログ/I2C/UART)
    1. Raspberry Pi Pico 2Wのデジタルポート(Digital Ports)
    2. Raspberry Pi Pico 2Wのアナログポート(Analog Ports)
    3. Raspberry Pi Pico 2WのI2CポートとUARTポート
  12. Grove LEDモジュールの接続方法
    1. 使用するGrove LEDモジュール
    2. LEDの極性について
  13. Lチカプログラミング - PythonでLEDを制御する初めてのIoTプログラム
    1. 「Lチカ」とは?IoT電子工作の第一歩
    2. Lチカプログラムのコード全体と実行方法
    3. コード解説①:ライブラリのインポート(machine/Pin/time)
    4. コード解説②:GPIOピン設定とLED制御の仕組み
    5. コード解説③:無限ループとtime.sleep()による点滅制御
    6. Thonny IDEでプログラムを実行する手順
    7. プログラムの停止方法と点滅速度の変更カスタマイズ
  14. トラブルシューティング - よくあるエラーと解決方法
    1. Raspberry Pi Pico 2Wが認識されない場合
    2. MicroPythonの書き込みに失敗する場合
    3. Lチカが動作しない場合の確認ポイント
  15. まとめと次回予告
    1. 第2回で達成したこと
    2. 次回予告:ボタンでLEDを制御するデジタル入力の基礎
    3. 次回までに準備しておくこと
  16. 関連リソース
    1. サンプルコード(GitHub)
    2. 動画解説(YouTube)
    3. 参考リンク集
    4. お問い合わせ

YouTube動画

YouTubeでも解説しています

第2回で実現すること

本記事では、Raspberry Pi Pico 2Wを使ったIoT電子工作の環境構築を行い、最初のプログラム「Lチカ」(LEDの点滅)を実現します。

具体的には以下の5つのステップを完了させます。

step
1
Thonny IDEのインストール

step
2
MicroPythonのセットアップ

step
3
Groveシールドの取り付け

step
4
LEDの点滅プログラム実行

step
5
Lチカ成功!

必要な機材の確認

今回の作業に必要な機材は以下の通りです。

今回はいよいよ実際にプログラムを動かしていきます。


Thonny IDEのインストール - MicroPython開発環境の準備

Thonny IDEとは?Python専用の統合開発環境でMicroPython(今回使用する環境)も対応

Thonny IDEは、Python専用の統合開発環境(IDE)です。

IoT電子工作、特にRaspberry Pi PicoシリーズでのMicroPython開発に最適な特徴を持っています。

Thonny IDEの主な特徴

    • Python専用の開発環境:Pythonプログラミングに特化した統合開発環境
    • MicroPythonに標準対応:マイコン向けの軽量版PythonであるMicroPythonに対応(今回使用)
    • 無料: 完全無料で使えます
    • クロスプラットフォーム - Windows/Mac/Linux全てのOSに対応

Pythonに特化しており、RaspberryPi専用モードもあるため、今回使用するRaspberry Pi Pico 2Wとの接続や書き込みが簡単です。

Thonny IDEのダウンロードとインストール手順(Windows/Mac/Linux)

Thonny IDEのダウンロード手順

step
1
ブラウザで https://thonny.org/ にアクセス

step
2
右上の「Download」をクリック

step
3
ご自身のOS(Windows / Mac / Linux)を選択

step
4
ダウンロードが開始されます

ダウンロードしたファイルは、各OSごとに以下の形式になります:

    • Windows: .exe ファイル
    • Mac: .pkg ファイル
    • Linux: パッケージマネージャー経由またはスクリプト

Thonny IDE Windows版のインストール手順

Windows版のインストール手順について説明します。

step
1
ダウンロードした `.exe` ファイルをダブルクリックして実行

step
2
セットアップウィザードが起動したら、基本的に「Next」をクリックして進める

step
3
インストール先はデフォルトのままでOK(変更したい場合は任意のフォルダを指定可能)

step
4
「Install」をクリックしてインストール開始

step
5
完了したら「Finish」をクリック

Thonny IDEの初期設定と日本語化

初回起動時の設定

Thonny IDEを初めて起動すると、言語と初期設定を選択する画面が表示されます。

推奨設定

    1. Language(言語): 「日本語」を選択(日本語で使いたい場合) 英語のままでも問題ありません
    2. Initial settings(初期設定): 「Raspberry Pi (Simple)」を選択

Thonny IDEのInitial settings(standardとRaspberry Pi (Simple)の違い)

  • standard: 汎用的なPython開発環境として設定されます
  • Raspberry Pi (Simple): 今回使用するRaspberry Pi Pico 2WなどのRaspberry Piへのプログラム転送と実行に特化した設定です

今回はRaspberry Piの開発が目的なので、「Raspberry Pi (Simple)」 がオススメです。

設定が完了したら「Let's go!」をクリックして起動します。

Thonny IDEの画面構成

Thonny IDEを起動すると、以下の4つの主要エリアが表示されます。

Thonny IDEの主要エリア

  •  エディタエリア(上部中央) - プログラムコードを書く場所
  • シェル(下部) - プログラムの実行結果が表示される場所
  • ツールバー(最上部) - よく使う機能(実行、停止、保存など)がボタンで配置
  • ファイルブラウザ(左側) - ファイルの操作や管理を行う

この4つのエリアを使いこなすことで、効率的にプログラム開発ができます。


MicroPythonのセットアップ - Raspberry Pi Pico 2Wへのファームウェア書き込み

MicroPythonとは?マイコン向けPython実行環境の基礎知識

MicroPythonは、マイコン(小型のコンピュータ)上で動作するように最適化された軽量版Pythonの実行環境です。

MicroPythonの特徴

    • マイコン用のPython実行環境: メモリやストレージが限られたマイコンでも動くように設計
    • 通常のPython(CPython)の軽量版:基本的な文法は通常のPythonと同じ
    • Raspberry Pi Pico 2Wで動作するOS的な役割: Raspberry Pi Pico 2Wのハードウェアを制御するためのシステム
    • 一度書き込めばOK:一度インストールすれば、プログラムを何度でも書き換え可能

MicroPythonがないと、Raspberry Pi Pico 2WでPythonのプログラムを実行できません。

MicroPythonのダウンロード方法

MicroPythonのファームウェアは公式サイトから無料でダウンロードできます。

MicroPythonのダウンロード手順

step
1
ブラウザで公式サイトにアクセス: https://micropython.org/download/RPI_PICO2_W/


step
2
FirmwareセクションのReleasesから最新版の `.uf2` ファイルをダウンロード


step
3
ファイル名の例: `rp2-pico2w-20250911-v1.26.1.uf2` (latest)

日付とバージョン番号は時期によって異なります。

必ずlatest(最新版)をダウンロードしてください。

Raspberry Pi Pico 2Wのファームウェアであることを確認

注意: Raspberry Pi Pico 2W用のファームウェアを必ずダウンロードしてください。通常のPico用やPico W用は動作しないおそれがあります。

Raspberry Pi Pico 2WをBOOTSELモードで接続する手順

MicroPythonファームウェアを書き込むには、Raspberry Pi Pico 2WをBOOTSELモードで起動する必要があります。

Raspberry Pi Pico 2WのBOOTSELモードとは

BOOTSELモードは、Raspberry Pi Pico 2Wをストレージデバイスとして認識させる特殊な起動モードです。

このモードでは、Pico 2WがUSBメモリのように見え、ファイルをドラッグ&ドロップで書き込むことができます。

Raspberry Pi Pico 2WのBOOTSELモードでの接続手順

step
1
Raspberry Pi Pico 2WのUSBケーブルを抜く(既に接続している場合)

step
2
Raspberry Pi Pico 2Wの白いボタン(BOOTSEL)を押しながら、USBケーブルをPCに接続

step
3
ボタンを押したまま2秒間待つ

step
4
PCに「RP2350」というドライブが表示される

このドライブが表示されたら、BOOTSELモードでの接続は成功です。

BOOTSELモードでのトラブルシューティング

ドライブが表示されない場合は、以下を確認してください。

    • BOOTSELボタンをしっかり押せているか
    • BOOTSELボタンを押してからUSBケーブルを接続しているか
    • USBケーブルが正常に接続されているか
    • USBケーブルがデータ転送対応のものか(充電専用ケーブルでは認識されません)

MicroPythonファームウェアをRaspberry Pi Pico 2Wへ書き込む方法

BOOTSELモードで接続できたら、いよいよMicroPythonファームウェアを書き込みます。

MicroPythonファームウェア書き込み手順


step
1
エクスプローラー(Windows)またはFinder(Mac)を開く

step
2
「RP2350」ドライブを開く

step
3
先ほどダウンロードした `.uf2` ファイルをドラッグ&ドロップ

step
4
自動的にコピーが始まる

step
5
数秒後、Raspberry Pi Pico 2Wが自動的に再起動

step
6
「RP2350」ドライブが消える

MicroPythonの書き込みが完了すると、RP2350のドライブが消えますが、これは正常な動作です。

ドライブが消えたということは、書き込みが成功した証拠です。

MicroPythonファームウェアの書き込み完了です!

これでRaspberry Pi Pico 2WにMicroPythonがインストールされました。

この作業は一度だけ行えばOKです。

ThonnyでRaspberry Pi Pico 2Wを認識させる設定

MicroPythonの書き込みが完了したら、Thonny IDEでRaspberry Pi Pico 2Wを認識させます。

ThonnyでRaspberryPi Pico 2Wの認識手順

step
1
Thonny IDEを起動

step
2
Raspberry Pi Pico 2WをUSBケーブルでPCに接続(今度はBOOTSELボタンを押す必要はありません。通常通りUSBケーブルを接続するだけです。)

step
3
Thonny IDE右下の「Python 3.x.x」と表示されている部分をクリック


step
4
「MicroPython (Raspberry Pi Pico)」を選択

step
5
ポートを選択(自動検出される)


step
6
シェルエリア(下部)に「>>>」が表示される

通常は自動的に正しいポートが選択されます。

複数のデバイスが接続されている場合は、手動で選択が必要な場合があります。

シェルエリアに「>>>」が表示されたら、接続成功です。

Raspberry Pi Pico 2Wとの接続確認(Thonny IDE)

正しく接続されているか、簡単なコマンドで確認してみましょう。

シェルに以下のコマンドを入力してEnterキーを押してください。

 Thonnyのシェルに入力
>>> print("Hello, Pico 2W!")

実行結果:

 command
>>> Hello, Pico 2W!

このように表示されたら、接続は完全に成功しています。

おめでとうございます!


Groveシールドの取り付けとLED接続 - はんだ付け不要の配線方法

Groveシールドとは?IoT電子工作を簡単にする拡張基板

Groveシールドは、Raspberry Pi Pico 2Wに各種センサーやアクチュエーターを簡単に接続するための拡張基板です。

Groveシールドの特徴

  • はんだ付け不要 - 初心者でも安心
  • Groveケーブルを挿すだけ - 配線ミスが起こりにくい
  • 10個のGroveコネクタ搭載 - 複数のセンサーを同時に接続可能
  • デジタル/アナログ/I2C/UART対応 - 様々なセンサーに対応

従来の電子工作では、ブレッドボードやジャンパー線を使った配線が必要でしたが、Groveシステムを使えば、ケーブルを挿すだけで配線が完了します。

Raspberry Pi Pico 2WへのGroveシールド取り付け手順

Groveシールドの取り付けは、ピンを挿し込むだけの簡単作業ですが、慎重に行う必要があります。

取り付け手順

重要: 作業前に必ずRaspberry Pi Pico 2WのUSBケーブルを抜いてください。電源が入った状態での取り付けは、故障の原因となります。

step
1
Raspberry Pi Pico 2WのUSBケーブルを抜く

step
2
Raspberry Pi Pico 2Wの向きを確認

step
3
Groveシールドの向きを確認

step
4
ピンの位置を合わせる

step
5
まっすぐ垂直に押し込む

注意: ピンが曲がらないように、必ず垂直に押し込んでください。

片側だけ強く押すと、ピンが曲がる可能性があります。

均等に力を加えながら、ゆっくりと押し込みます。

しっかりと奥まで挿入し、隙間がない状態にします。

Groveシールドのコネクタ配置(デジタル/アナログ/I2C/UART)

Groveシールドには、用途別に複数のコネクタが配置されています。

センサーやモジュールの種類に応じて、適切なコネクタに接続する必要があります。

Raspberry Pi Pico 2Wのデジタルポート(Digital Ports)

ポート名: D16, D18, D20

用途:LEDやボタンなど、ON/OFF制御を行うデバイス

Raspberry Pi Pico 2Wのアナログポート(Analog Ports)

ポート名: A0, A1, A2

用途:照度センサーや温度センサーなど、アナログ値を読み取るデバイス

Raspberry Pi Pico 2WのI2CポートとUARTポート

ポート名: I2C0, I2C1, UART0, UART1

用途:複数のICやセンサーとの通信

今回のLチカではデジタルポート「D16」を使用します。

Grove LEDモジュールの接続方法

それでは、実際にGrove LEDモジュールを接続していきます。

使用するGrove LEDモジュール

今回使用するのは、Groveスターターキットに含まれている赤色LEDモジュールです。

LEDモジュールの特徴

  •  デジタル制御(ON/OFF)
  • Groveケーブル1本で接続
  • 抵抗内蔵で過電流を防止、安全に使用可能

LEDの極性について

LEDには極性(プラスとマイナス)があります。

Groveスターターキットに含まれるLEDは、足の長さが揃っているため、LED内部の金属で向きを判断します。

LED内部金属の見分け方

  • 足が長いほうがアノード(+)
  • 足が短いほうがカソード(-)
  • LED内部金属の平たい方がカソード(-)


Grove LEDモジュールには、正しい向きで挿入できるように設計されていますが、念のため確認してください。

接続手順

step
1
Grove LEDモジュールを用意

step
2
Grove LEDモジュールに赤色LEDを挿す

step
3
LEDモジュールにGroveケーブルを接続

step
4
Groveシールドのデジタルポート「D16」にGroveケーブルのもう一方を接続

step
5
接続完了

  1.  これで、Raspberry Pi Pico 2WとLEDの接続が完了しました。


Lチカプログラミング - PythonでLEDを制御する初めてのIoTプログラム

「Lチカ」とは?IoT電子工作の第一歩

「Lチカ」は、LED(L)をチカチカ(チカ)させることの略称で、電子工作やプログラミング学習における最初の課題です。

Lチカの意義

  • IoT電子工作の Hello World - プログラミング学習における「Hello World」に相当
  • ハードウェアとソフトウェアの連携 - プログラムで物理的なLEDを制御
  • 基礎の習得 - GPIO制御、時間制御など、基本的な概念を学べる

できたら一人前!まずはLチカを成功させましょう。

Lチカプログラムのコード全体と実行方法

それでは、実際にLチカのプログラムを書いていきます。

完全なコード

以下のコードをThonny IDEのエディタエリアに入力してください。

 command
from machine import Pin
import time
# LEDピンの設定
LED_PIN = 16
# 点滅間隔(秒)
INTERVAL = 0.1  
# LEDの準備
led = Pin(LED_PIN, Pin.OUT)
# 点滅を繰り返す
while True:
    led.on()
    time.sleep(INTERVAL)
    led.off()
    time.sleep(INTERVAL)

このコードは、わずか10行程度ですが、IoT電子工作の基本的な要素がすべて含まれています。

次のセクションで、各行の意味を詳しく解説します。

コード解説①:ライブラリのインポート(machine/Pin/time)

プログラムの最初の2行は、必要なライブラリをインポートしています。

from machine import Pin
import time

from machine import Pin

from machine import Pin

    • machine は、Raspberry Pi Pico 2Wのハードウェアを操作するためのライブラリです
    • Pin は、GPIOピン(入出力ピン)を操作するためのクラスです
    • from ... import を使うことで、machine.Pin ではなく、Pin と短く書けます

import time

import time

    • time は、時間に関する機能を提供するライブラリです
    • 今回は、LEDを1秒間隔で点滅させるために使用します
    • time.sleep(秒数) という関数で、指定した秒数だけプログラムを一時停止できます

コード解説②:GPIOピン設定とLED制御の仕組み

次の3行は、定数の定義とLEDの準備です。

# LEDピンの設定
LED_PIN = 16
# 点滅間隔(秒)
INTERVAL = 1

# LEDの準備
led = Pin(LED_PIN, Pin.OUT)

定数の定義

LED_PIN = 16
INTERVAL = 1

    • LED_PIN = 16: LEDを接続したGPIOピン番号を指定します
    • D16ポートは、内部的にGPIO16番ピンに対応しています
    • 変数名を大文字にすることで、定数(変更しない値)であることを示しています
    • INTERVAL = 1: 点滅の間隔を秒単位で指定します
    • 1秒ごとに点灯・消灯を繰り返します
    • この値を変更すれば、点滅速度を変えられます

このように、変更する可能性のある値を変数として定義しておくと、後から修正しやすくなります。

LEDの準備

led = Pin(LED_PIN, Pin.OUT)

この1行で、GPIO16番ピンをLED制御用に設定しています。

    • Pin(LED_PIN, Pin.OUT): GPIOピン16番を「出力モード」で使用する設定
    • LED_PIN: 使用するピン番号(16)
    • Pin.OUT: 出力モード(信号を出す側)
    • 出力モードにすることで、HIGH(3.3V)またはLOW(0V)の電圧を出力できます
    • led: 設定したピンを操作するためのオブジェクト
    • led.on() でLED点灯
    • led.off() でLED消灯

コード解説③:無限ループとtime.sleep()による点滅制御

最後の5行は、実際にLEDを点滅させる部分です。

# 点滅を繰り返す
while True:
    led.on()
    time.sleep(INTERVAL)
    led.off()
    time.sleep(INTERVAL)

while True: - 無限ループ

while True:

    • while True:: 条件が常に真(True)なので、永遠に繰り返すループです
    • このループの中の処理が、プログラムを停止するまで繰り返し実行されます
    • Pythonでは、ループの中身をインデント(字下げ)で表現します

LEDの点灯と待機

    led.on()
    time.sleep(INTERVAL)

    • led.on(): LEDを点灯させます
    • GPIO16番ピンにHIGH(3.3V)を出力
    • time.sleep(INTERVAL): INTERVAL秒(1秒)待機します
    • この間、LEDは点灯したまま

LEDの消灯と待機

    led.off()
    time.sleep(INTERVAL)

    • led.off(): LEDを消灯させます
    • GPIO16番ピンにLOW(0V)を出力
    • time.sleep(INTERVAL): INTERVAL秒(1秒)待機します
    • この間、LEDは消灯したまま

この4行が繰り返されることで、「1秒点灯 → 1秒消灯 → 1秒点灯 → 1秒消灯…」というLチカが実現されます。

Thonny IDEでプログラムを実行する手順

それでは、実際にプログラムを実行してみましょう。

実行手順

step
1
Thonny IDEのエディタエリア(上半分)をクリック

step
2
エディタエリアがアクティブになっていることを確認

step
3
上記のコードを入力(またはコピー&ペースト)

step
4
ツールバーの緑色の「▶(再生)」ボタンをクリック

step
5
ファイル名を聞かれたら「main.py」と入力

step
6
保存先は「Raspberry Pi Pico」を選択

step
7
プログラムがRaspberry Pi Pico 2Wに保存され、実行される

step
8
LEDが点滅開始!

🎉 おめでとうございます!Lチカ成功です! 🎉

あなたはIoT電子工作の第一歩を踏み出しました。この小さな一歩が、大きな可能性の始まりです。

プログラムの停止方法と点滅速度の変更カスタマイズ

プログラムの停止方法

Lチカプログラムは無限ループなので、自動的には停止しません。停止するには、以下の手順を実行します。

    1. ツールバーの赤い「■(停止)」ボタンをクリック
    2. プログラムが停止
    3. LEDも消灯

シェルに KeyboardInterrupt というメッセージが表示されたら、正常に停止しています。

点滅速度の変更

プログラムを少しカスタマイズしてみましょう。点滅速度を変更するには、INTERVALの値を変更します。

例: 0.5秒間隔で点滅させる

from machine import Pin
import time

# LEDピンの設定
LED_PIN = 16
# 点滅間隔(秒)
INTERVAL = 0.5  # 1から0.5に変更

# LEDの準備
led = Pin(LED_PIN, Pin.OUT)

# 点滅を繰り返す
while True:
    led.on()
    time.sleep(INTERVAL)
    led.off()
    time.sleep(INTERVAL)

INTERVAL = 0.5 に変更することで、点滅速度が2倍になります。

他の例:

    • INTERVAL = 2 → ゆっくり点滅(2秒間隔)
    • INTERVAL = 0.1 → 高速点滅(0.1秒間隔)

このように、変数として定義しておくことで、簡単にカスタマイズできます。

ぜひ、いろいろな値を試してみてください!


トラブルシューティング - よくあるエラーと解決方法

Lチカがうまく動作しない場合、以下のポイントを確認してください。

Raspberry Pi Pico 2Wが認識されない場合

症状: Thonny IDEでRaspberry Pi Pico 2Wが認識されない

確認ポイント:

    1. USBケーブルが正しく接続されているか
    2. Thonny IDEの右下で「MicroPython (Raspberry Pi Pico)」が選択されているか
    3. USBポートを変更してみる
    4. PCを再起動してみる
    5. Thonny IDEを再起動してみる

MicroPythonの書き込みに失敗する場合

症状: MicroPythonファームウェアの書き込みが完了しない、またはエラーが出る

確認ポイント:

    1. BOOTSELボタンを正しく押しているか
    2. 「RP2350」ドライブが表示されているか
    3. 正しい.uf2ファイルをダウンロードしているか
    4. ファイルのダウンロードが完全に終わっているか

Lチカが動作しない場合の確認ポイント

症状: プログラムは実行されるが、LEDが点滅しない

確認ポイント:

    1. Groveシールドが正しく取り付けられているか
    2. LEDモジュールが「D16」ポートに接続されているか
    3. LEDの極性は正しいか
    4. Groveケーブルがしっかり接続されているか
    5. プログラムにタイプミスがないか
    6. シェルにエラーメッセージが表示されていないか

エラーメッセージの例:

    • NameError: name 'Pin' isn't defined → Pinの大文字小文字が間違っている、またはimportしていない
    • IndentationError → インデント(字下げ)が間違っている
    • AttributeError: 'Pin' object has no attribute 'on'ledオブジェクトが正しく作成されていない

これらのエラーメッセージを見て、該当する行を修正してください。


まとめと次回予告

第2回で達成したこと

今回の記事では、以下の内容を実現しました。

Thonny IDEをインストール - Python開発環境を整えました
MicroPythonをRaspberry Pi Pico 2Wに書き込み - プログラムを実行できる環境を作りました
Groveシールドを取り付け - はんだ付け不要で拡張可能にしました
LEDを接続 - Grove LEDモジュールを配線しました
Lチカプログラムを実行 - 初めてのIoTプログラムを動かしました
LEDの点滅に成功! - IoT電子工作の第一歩を踏み出しました

おめでとうございます!あなたはIoT電子工作の基礎を身につけました。

次回予告:ボタンでLEDを制御するデジタル入力の基礎

第3回では、さらにステップアップして、ボタンでLEDを制御する方法を学びます。

次回の内容:

デジタル入力の基礎

    • デジタル入力とは何か
    • Grove ボタンモジュールの使い方

ボタン制御

    • ボタンを押したらLED点灯
    • トグルスイッチの作成(ボタンを押すたびにON/OFF切り替え)

応用

    • チャタリング対策
    • 複数のボタンとLEDの組み合わせ

次回は、「入力」を扱うことで、よりインタラクティブなIoT電子工作に挑戦します。

次回までに準備しておくこと

次回までに、以下の準備をしておくとスムーズです:

    1. 今回のLチカプログラムを色々変更してみる
    2. Thonnyの操作に慣れる
    3. 特に新しい機材は不要!


関連リソース

サンプルコード(GitHub)

本記事で使用したサンプルコードは、GitHubで公開しています。

リポジトリ: https://github.com/Python-Electronics-Thunderblog/raspberrypi-pico2w-iot-course

 

動画解説(YouTube)

本記事の内容は、YouTube動画でも詳しく解説しています。

チャンネル: ThunderBlog YouTube

実際の画面を見ながら学習できます

分からないところは何度でも見返せます

この記事が役に立ったら、ぜひチャンネル登録と高評価をお願いします!

参考リンク集

    • Thonny IDE 公式サイト: https://thonny.org/
    • MicroPython 公式サイト: https://micropython.org/
    • Raspberry Pi Pico 2W 公式ドキュメント: [Raspberry Pi公式サイト]
    • Groveシステム: [Seeed Studio公式サイト]

お問い合わせ

質問や不明点がありましたら、お気軽にご連絡ください。


次回もお楽しみに!







  • この記事を書いた人
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サンダー

電気機器メーカーに就職し、ハードエンジニアとして勤務しています。 ブログでは電気、プログラミング、データサイエンスについて書いています。 電気×プログラミング×データサイエンスの3本柱で日本の製造業を盛り上げたいです!

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