「LEDをマイコンに直結したら、すぐ切れた」「煙が出た」――そんな経験はありませんか?
LEDは抵抗なしで電源につなぐと、一瞬で過電流が流れて壊れます。
知らずにはまりやすい落とし穴ですが、正しい計算方法を知っていれば防げます。
今回は、Raspberry Pi Pico(2W)とArduinoの両方の計算例を使って、電流制限抵抗の選び方をわかりやすく解説します。
自動計算ツールも用意しているので、計算が苦手でも大丈夫です。
こんな方におすすめ
- LEDを電子工作で初めて使う初心者の方
- Raspberry Pi PicoやArduinoでLEDを光らせたい方
- LEDの抵抗値の求め方が分からない方
なぜLEDに抵抗が必要なのか【抵抗なしで壊れる理由】
抵抗なしでつないだら何が起きるか
LEDは電圧を加えると光る半導体部品ですが、そのままマイコンや電源に直結してはいけません。
LEDには「ある電圧を超えると電流が一気に流れ込む」という特性があります。
抵抗なしで5Vや3.3Vの電源に接続すると、一瞬で定格をはるかに超える電流が流れ、LEDが焼き切れてしまいます。
電子工作を始めたばかりの頃、知らずに接続して煙が出た・LEDがすぐ切れた経験をする方は少なくありません。
この記事は、そういったトラブルを防ぐために書きました。
電流制限抵抗の役割
電流制限抵抗は、LEDに流れる電流を「安全な範囲」に制限するための部品です。
抵抗をLEDと直列につなぐと、電源電圧からVf(電圧降下)を引いた余剰電圧を抵抗が吸収します。
その結果、LEDに流れる電流を設計どおりに抑えられます。
適切な抵抗値を選べば、LEDを安全に点灯させながら必要な明るさを確保できます。
次のセクションで、具体的な計算手順を説明します。
LED電流制限抵抗の計算方法【3ステップ】
抵抗値の計算にはオームの法則「電圧=電流×抵抗」を使います。必要な値は3つだけです。
必要な値①:電源電圧(V)
まず、LEDに電力を供給する電源の電圧を確認します。
よく使うマイコン別や電池の電圧は以下のとおりです。
マイコン別・電池別電圧
- Raspberry Pi Pico 2W のGPIO(汎用入出力)ピン:3.3V
- Arduino UNO のGPIOピン:5V
- 単三乾電池3本:4.5V
- USB電源(5Vピンから直接):5V
Raspberry Pi Pico (2W)を使う場合は3.3V、Arduinoの場合は5Vで計算します。
必要な値②:LEDの順方向電圧Vf(色別の目安)
LEDには光る色によって「順方向電圧(Vf)」と呼ばれる電圧降下の値があり、色ごとに異なります。
正確な値はLEDのデータシート(部品の仕様書)に記載されていますが、色別の目安値は次のとおりです。
見出しテキスト
- 赤色LED(Red):1.8V〜2.2V(目安 2.0V)
- 緑色LED(Green):2.0V〜3.5V(種類によって異なる傾向)
- 青色LED(Blue):3.0V〜3.6V(目安 3.2V)
- 白白LED(White):3.0V〜3.6V(目安 3.2V)
自動計算ツールでは色を選ぶだけでVfの目安が自動入力されるように作ってあります。
必要な値③:流したい電流IFの決め方
LEDに流す電流(IF)は、LEDのデータシートに記載された定格電流の範囲内で決めます。
電子工作でよく使う一般的な砲弾型LEDの場合、定格電流は20mAのものが多いです。
明るさと消費電力のバランスを考えると、5mA〜10mAを目安にするのが実用的です。
IFを小さくすると消費電力が減り、LEDの寿命も延びます。
Raspberry Pi Pico などバッテリー駆動のIoT機器を作る場合は、特に意識してみてください。
3つの値が揃ったら、次のステップで実際に計算します。
実際に計算してみよう
計算式は次のとおりです。

抵抗値(Ω)={ 電源電圧(V)- Vf(V)} ÷ IF(A)
IFの単位はアンペア(A)で計算します。
10mAの場合は0.01Aとして代入してください。
計算例①:Raspberry Pi Pico 2W(3.3V)で赤色LEDを点灯
条件:電源電圧 3.3V、Vf 2.0V(赤色LED)、IF 10mA(0.01A)
計算:(3.3 − 2.0)÷ 0.01 = 130Ω
市販の抵抗はE24系列という規格値があります。
計算結果が130Ωの場合、130Ωはそのままラインナップに存在するため、130Ωの抵抗を選べばOKです。
3.3VのPicoで青・白LEDを使う場合、Vfが3.2V前後になるため抵抗値が10Ω前後と非常に小さくなります。
抵抗値が小さくなりすぎる場合は電流値を下げるか、VBUSピン(USB経由の5V出力ピン)とトランジスタを組み合わせた回路を検討してください。
計算例②:Arduino(5V)で青色LEDを点灯
条件:電源電圧 5V、Vf 3.2V(青色LED)、IF 10mA(0.01A)
計算:(5.0 − 3.2)÷ 0.01 = 180Ω
市販のE24系列に180Ωが存在するため、そのまま180Ωを選べます。
計算結果が中途半端な値(例:163Ω)になった場合は、計算値より大きい規格値を選ぶのが基本です。
E24系列の一覧は自動計算ツール内に表示しています。
自動計算ツールで確認しよう
手計算が面倒な場合は、自動計算ツールを使ってください。
自動計算ツールの手順
- 電源電圧・LED色・IFを入力するだけで抵抗値を自動計算
- LED色を選択するとVfの目安値が自動入力される
- 計算結果に近いE24系列の抵抗値を自動表示
- 抵抗の消費電力(P=I²×R)を計算し、1/4Wを超える場合に警告を表示
- スマホ対応・計算結果に簡易回路図を表示
よくある失敗と対処
LEDがすぐ切れた
症状:接続直後にLEDが光らなくなった。
原因:抵抗なしで接続して過電流が流れ、LEDが破損した。
対処:LEDは一度焼き切れると交換が必要です。今回の手順で正しい抵抗値を計算してから再接続してください。動作確認の際はブレッドボードを使い、回路を固定する前に点灯確認するのがおすすめです。
LEDの光が弱すぎる
症状:点灯はするが非常に暗い。
原因:抵抗値が大きすぎてLEDに流れる電流が不足している。
対処:IFの値を大きくして(例:5mA → 10mA)再計算し、抵抗値を小さくしてください。ただし定格電流を超えないように注意が必要です。
Raspberry Pi Pico 2Wで青・白LEDが光らない
症状:Vfが高い青色・白色LEDをPico 2WのGPIOピン(3.3V)に接続しても光らない。
原因:3.3V − Vf(約3.2V)= 0.1Vしか残らないため、電流がほとんど流れない。
対処:Pico 2Wで青・白LEDを明るく点灯させたい場合は、VBUSピン(USB経由の5V出力ピン)からトランジスタ経由で制御する回路を組む必要があります。
まとめ
LED電流制限抵抗の計算は、次の3ステップで求められます。
LED電流制限抵抗計算まとめ
- 電源電圧を確認する(Pico 2W:3.3V、Arduino:5V)
- LEDの色からVfの目安値を確認する
- 計算式「(電源電圧 − Vf)÷ IF」で抵抗値を求める
抵抗を省略すると一瞬でLEDが壊れます。
面倒に感じても、最初の一手間として必ず計算する習慣をつけてください。

アノードコモン・カソードコモンの違いについてはこちら
