LEDをマイコンで制御しようとして、こんな疑問にぶつかったことはありませんか。
「アノードコモンとカソードコモンって何が違うの?」「どちらを買えばいいの?」
部品の説明書を読んでも「アノード共通」「カソード共通」とあるだけで、マイコンにどう繋げばいいかわからない——そんな状態で止まってしまった経験、私もあります。
アノード・カソードの基本からコモンの意味、マイコン接続での動作の違いまで、図解でステップごとに説明します。RGB LEDや7セグメントLEDへの応用、どちらを買うべきかの判断基準まで、この記事を読み終えれば迷わなくなります。
こんな方におすすめ
- マイコンでLEDを制御しようとして「アノードコモン・カソードコモン」で止まった方
- RGB LEDや7セグメントLEDの型番選びで迷っている方
- HIGH出力したのにLEDが光らない・逆に消える現象で悩んでいる方
この記事でわかること
- アノード・カソードの意味と見分け方
- 「コモン(共通)」とは何か
- アノードコモンとカソードコモンの接続と動作の違い
- HIGH/LOWでの点灯・消灯がなぜ逆になるのか
- RGB LEDと7セグメントLEDへの応用
- どちらを選べばよいかの判断基準
まず確認!LEDのアノード・カソードとは
アノードコモン・カソードコモンを理解するには、まずLED単体のアノードとカソードを正確に把握することが大切です。ここをあいまいにしたまま進むと、コモンの概念で必ず混乱します。
足の長さ・内部構造での見分け方
LED単体には必ず2本の足があります。
- 長い足:アノード(Anode)=プラス(+)側
- 短い足:カソード(Cathode)=マイナス(−)側
LEDは電流がアノードからカソードへ流れると光ります。電流の方向が逆(カソード→アノード)では光りません。これはダイオード(電流を一方向にしか流さない部品)と同じ性質です。
足を切ってしまった場合は、LED内部の構造でも判断できます。内部を見ると小さな三角形のような素子が見えます。小さいカップ(カソード側)と大きいポスト(アノード側)があり、大きい方がアノードです。

アノードの覚え方
足の長短で覚えるコツ:「A(Anote)は長身」」。アノードの足が長いと覚えておくと忘れにくいです。
「コモン」って何?アノードコモン・カソードコモンの意味
「コモン(Common)」は日本語で「共通」を意味します。
LED単体の話では「コモン」は登場しません。コモンが出てくるのは、複数のLED素子を1つのパッケージにまとめたとき——つまりRGB LEDや7セグメントLEDのような「多素子LED」のときだけです。
コモン(共通ピン)の役割
RGB LEDを例にします。赤・緑・青の3つのLED素子が1パッケージに入っています。各素子に2本の足が必要なら、本来6本の足が必要です。
ここで「全素子のアノード側をまとめて1本にする」か「カソード側をまとめて1本にする」ことで、ピン数を削減できます。
- まとめた側のピン → コモンピン(共通端子)
- 個別のままにした側のピン → 制御ピン(個別制御用)
この「どちら側をまとめたか」によって、アノードコモンとカソードコモンの2種類に分かれます。
アノードコモンとは【図解】
アノードコモンは、各LED素子のアノード(+側)をまとめて1本の共通ピンにした構造です。
共通のアノードピンを電源(VCC)に接続し、各素子のカソードピンをマイコンのIOピンで個別に制御します。

点灯させるには、制御したいカソード側のIOピンをLOW(GND)にします。電流は VCC → 共通アノード → LED素子 → カソード → IOピン(LOW) の順に流れます。
アノードコモンはHIGHで消灯
アノードコモンはHIGHで消灯、LOWで点灯、HIGHで消灯です。
直感と逆になるため「HIGHを出したのに光らない!」、「何もしていないのに光っている」とハマりやすいポイントです。
アノードコモンの点灯・消灯
- IOへLOW出力 → 点灯
- IOへHIGH出力 → 消灯
カソードコモンとは【図解】
カソードコモンは、各LED素子のカソード(−側)をまとめて1本の共通ピンにした構造です。
共通のカソードピンをGNDに接続し、各素子のアノードピンをマイコンのIOピンで個別に制御します。

点灯させるには、制御したいアノード側のIOピンをHIGH(VCC)にします。電流は IOピン(HIGH) → アノード → LED素子 → 共通カソード → GND の順に流れます。
カソードコモンの点灯・消灯
- IOへHIGH出力 → 点灯
- IOへLOW出力 → 消灯
カソードコモンは「HIGHで点灯」という動作がプログラムの論理と一致していて直感的です。
マイコン接続時の動作の違い(HIGH/LOWでどう変わる?)
アノードコモンとカソードコモンの最大の違いは「どちら側のピンをIOで制御するか」です。
アノードコモンはLOWで点灯、HIGHで消灯
アノードコモンはVCCに共通ピンを繋いでいます。個別制御するカソード側をGNDレベル(LOW)にしたとき、初めて電位差が生まれて電流が流れます。
- 共通ピン → VCC(電源)に固定
- 制御ピン(カソード側):LOW → 点灯 / HIGH → 消灯
よくあるミスは「HIGHを出力したのに光らない」です。アノードコモンでHIGHを出力すると、制御ピンとVCCが同電位になるため電流が流れません。LOWを出して初めて点灯します。
カソードコモンはHIGHで点灯、LOWで消灯
カソードコモンはGNDに共通ピンを繋いでいます。個別制御するアノード側をVCCレベル(HIGH)にしたとき、電位差が生まれて電流が流れます。
- 共通ピン → GND(グランド)に固定
- 制御ピン(アノード側):HIGH → 点灯 / LOW → 消灯
「HIGHを出したら光る」という動作はプログラムの論理と一致していて、デバッグがしやすいです。
動作まとめ
アノードコモン:
・共通ピン → VCC
・HIGH出力 → 消灯
・LOW出力 → 点灯(直感と逆!)
カソードコモン:
・共通ピン → GND
・HIGH出力 → 点灯
・LOW出力 → 消灯
RGB LEDで理解するアノードコモン・カソードコモン
RGB LEDは赤(R)・緑(G)・青(B)の3素子が1パッケージに入った4ピンのLEDです。足が4本あり、そのうち1本がコモンピンです。購入時は必ずアノードコモン型(CA)かカソードコモン型(CC)かを確認してください。外見では区別できません。
アノードコモン型RGB LEDの配線
4本のピンのうち最も長い1本がコモンピン(アノード共通)です。
接続の手順:
- コモンピン → VCC(電源)へ接続
- 残り3本(R・G・Bそれぞれのカソード)→ 各色に合った電流制限抵抗を通してマイコンのIOピンへ接続
各色を点灯させるには、そのIOピンをLOWにします。R・G・BをPWM(パルス幅変調)で制御すれば混色も可能です。

カソードコモン型RGB LEDの配線
4本のピンのうち最も長い1本がコモンピン(カソード共通)です。
接続の手順:
- コモンピン → GNDへ接続
- 残り3本(R・G・Bそれぞれのアノード)→ 各色に合った電流制限抵抗を通してマイコンのIOピンへ接続
各色を点灯させるには、そのIOピンをHIGHにします。

電流制限抵抗について
電流制限抵抗は色ごとにVf(順方向電圧)が異なるため、R・G・Bそれぞれ別の抵抗値を使うのが正しい設計です。詳しくは後述のツールで計算できます。
7セグメントLEDのアノードコモン・カソードコモン
7セグメントLEDは数字を表示するためのLEDで、a〜gの7本のセグメント(棒)とDP(小数点)のLED素子が1パッケージに入っています。
素子の数が多いほど「コモン」によるピン削減の効果が大きく出ます。
7セグメントLEDの場合、コモンがなければ16本以上の足が必要です。
コモンピン1〜2本にまとめることで、大幅にピン数を減らせます。
アノードコモン型の7セグメントLEDは、各セグメントのアノードが共通ピンでまとまっています。
VCCに共通ピンを接続し、光らせたいセグメントのカソード側をLOWにして点灯させます。
カソードコモン型は逆で、GNDに共通ピンを接続し、光らせたいセグメントのアノード側をHIGHにします。
プログラムで数字を表示するときは、どのセグメントをON/OFFするかをビットパターン(0と1の組み合わせ)で管理します。
アノードコモンはLOWで点灯するため、ビットが反転(0=点灯、1=消灯)になります。
この逆転がプログラム上のバグの原因になりやすいので注意してください。
購入時は必ずデータシートで「Common Anode」か「Common Cathode」を確認してから使いましょう。
【まとめ】どちらを買えばいい?
アノードコモンとカソードコモンの違いを整理します。
まとめ
- アノードコモンはアノードが共通で、吸い込みのシンク電流で使用する
- カソードコモンはカソードが共通で、吐き出しのソース電流で使用する
- アノードもしくはカソードを共通(コモン)にすることでピン数を減らせる
LEDを接続する際は電流制限抵抗が必要です。
抵抗値の計算が面倒な方は、自動計算ツールを使ってみてください。
VccやLEDの色を選ぶだけで抵抗値が計算できます。
よくある質問
LEDのアノードとカソード、どうやって見分ければいいですか?
砲弾型LEDなら、以下のいずれかで見分けられます。
- 足が長い方がアノード(+)、短い方がカソード(-)
- 本体内部の金属電極が大きい方がカソード
- 本体側面に平らな面(フラット)がある側がカソード
- チップLEDはマーキング側がカソード
LEDの足が長い方はアノードとカソードどっち?
足が長い方がアノード(+極)、短い方がカソード(-極)です。これは砲弾型LEDの場合です。チップLED(表面実装型)では足の長さで判断できないので、本体のマーキングで判別します。
アノードコモンとカソードコモンの違いは何ですか?
7セグメントLEDやRGB LED など、複数のLEDを1つにまとめた部品で、共通端子(コモン)が+側(陽極)にまとめられたものをアノードコモン、-側(陰極)にまとめられたものをカソードコモンといいます。マイコンの出力(HIGH/LOW)の使い方が逆になるため、回路設計時に区別が必要です。
アノードコモンとは何ですか?
複数のLEDが共通の+極(アノード)を持つ配線方式。共通端子を電源(+)に接続し、各セグメントのカソードをマイコンで Low に引くと点灯します。「Low で点灯」が特徴で、慣れないと直感に反します。
カソードコモンとは何ですか?
複数のLEDが共通の-極(カソード)を持つ配線方式。共通端子をGNDに接続し、各セグメントのアノードをマイコンで High に引くと点灯します。「High で点灯」が特徴で、直感に合います。初心者にはこちらが扱いやすい。
LEDのカソードはどっち側?
砲弾型LEDなら足の短い方、本体内部の金属電極が大きい方、または本体側面に平らな面(フラット)がある側がカソード(-極)です。
アノードとカソードの違いは何ですか?
アノードは+極側、カソードは-極側の端子です。LED は電流が アノード(+) → カソード(-) の向きに流れたときだけ発光します(順方向)。逆向き(カソード→アノード)には流れません。
電子工作の基礎をもっと体系的に学びたい方には、この本がおすすめです。
部品の仕組みから回路の読み方まで、実践前に知っておきたい知識が丁寧にまとまっています。
